プロジェクトストーリー

「イッツコムひかり」を実現する
FTTH化プロジェクト。
それはイッツコムの未来につながる
一大チャレンジだった。

PROJECT MEMBER

  • 田口 森彦

    MORIHIKO TAGUCHI

    1995年入社

    経営統括室 経営企画担当

  • 佐々木 祐未

    YUMI SASAKI

    2010年度入社

    カスタマー本部 サービス設計プロジェクトチーム

  • 小柳 聡

    SATOSHI KOYANAGI

    2010年度入社

    技術サポート部 兼 サービスオペレーションセンター

※プロジェクト発足当時の所属名

2017年5月、光ファイバー回線を利用した最速2ギガの高速通信サービス「イッツコムひかり」がスタート。そのための基幹インフラとしてセンター設備から各ユーザー宅までの間を光ファイバーで結ぶネットワークシステム構築に着手、ここから約2年という短期間で全サービスエリアへの拡大を行う。ケーブルテレビ業界からも注目されるこの取り組みは、2016年10月に全社横断的なプロジェクトを始動。サービスインまで怒涛の日々の中で、全社一丸となってのチャレンジが行われる。ここでは3名のキーパーソンの証言を交えながら、このプロジェクトの意義、ダイナミズム、そしてそこから見えてくるイッツコムの今後の可能性を浮き彫りにする。

プロジェクト始動。

FTTH(Fiber To The Home)化は、イッツコムにとって最新規格の高速通信インターネットの提供や2018年に本格化する4K・8K放送へ対応するために不可欠な決断だった。プロジェクトマネージャーの田口は言う。「FTTH化は投資規模も大きく、まさに社運をかけるようなプロジェクトです。決断の背景には“ここでチャレンジしなければイッツコムの未来はない!”そのくらいの覚悟があったと思います」(田口)。そもそも具体的な検討が始まったのは2015年の年末。環境分析を行い、経営判断を仰ぐための計画書と損益計算書などを作成し、何度もプレゼン、そしてプランの再構築を繰り返し、最適プランへとブラッシュアップする。最終的な決裁を得られたのは、2016年10月。サービスインまでの期間はわずか6ヶ月。各機能別に5つの分科会を設け、WBS(Work Breakdown Structure)ベースで1500以上のタスクを設定。関わったメンバーは総勢100名以上で、全員がアタマをフル回転させ、考えながら動き、次々とタスクをこなす怒涛の日々が始まる。「このプロジェクトの意義を全メンバーで共有できた、あるタイミングから、次第に一人ひとりがタスクをジブンゴト化し、自然発生同時多発的に多くの課題が議論され、次々と打ち手が実践される流れが生まれました。以来、数々のシナジーによって勢いづく組織ダイナミズムというものが、このプロジェクトを一気に加速させていきました」(田口)。
ちなみにFTTH化の決裁を得る前段階で組成された中堅〜若手社員18名によるタスクフォース「イッツコム・セカンド・ステージ・プロジェクト」では、2025年のあるべき姿が描かれ、そのビジョンを「北極星」に見たてて、全社員で共有して歩みを進めている。もちろんこれは今回のプロジェクトともオーバーラップするものであり、この「北極星」がメンバーたちを鼓舞して、先導役を果たしたとも言える。

技術も企画もベストを尽くす。

FTTH化は、大きく分けて設備面の構築を技術的に支えるエンジニアチームと、FTTH化によってイッツコムに何ができるのかを考える企画チーム、そしてそれらを実現するサービス設計チームによって進められている。システム構築を担うエンジニアの小柳は言う。「FTTH化は、あらゆる変革の起爆剤になるもの。基幹インフラの構築というビッグプロジェクトに携われるのは自分の社会人人生でも一度きりかもしれない、と思っており、この機会に技術スキルを最大限に高めよう、そんな想いで臨んでいます」(小柳)。エンジニア部隊は、伝送路構築の管理を行う。展開エリアの工事スケジュール管理から、新サブセンターの用地取得交渉、埋設箇所等の外部折衝、そして施工方法の決定などを担当。また、センター機器のシステム考案・構築も行う。「どんどん提供エリアが広がり、提供可能なお客さまが増えていく。それを実感する度に、自らの使命の重みがのしかかりますが、その分、やりがいも大きく、モチベーションは高まるばかりです」(小柳)。
一方、企画チームもFTTH化によって一気に広がる、あらゆるサービスの可能性を探るアプローチを行う。そしてサービス設計チームが実践企画の具現化を行う。企画担当の佐々木は言う。「サービスインまで、とにかく必要なことを見つけて、どんどん考え、動いていったら、プロモーションやオペレーション、システムなど、気づいたら、ほとんどの部門と関わっていました。一つの企画を実現するには、全社の団結が不可欠です。例えばFTTHによって実現するサービスの進化についても、その魅力をお客さまの感じる価値に置き換えてどう伝えるか…を考え、私たちがハブとなって各部門の知恵を結集し、その実現を主導していきます。今回のプロジェクトを通じて改めてイッツコムの底力を実感しています。私たち企画担当のアイデアに、多くのメンバーが持ち場を越えて呼応し、次々とカタチにしていく…そんなパワーを持っています。」(佐々木)。また、企画チームはFTTH化によって変わる料金のシミュレーションも行う。「1,000パターン以上の料金の組み合わせを作成しました。最終的にお客さまにわかりやすく、そしてご満足いただける料金体系になるよう徹底的に議論しました」(佐々木)。
こうして技術も企画も設計も「FTTH化でイッツコムの未来を変える!」その想いを胸に、誰もがベストを尽くしきるチャレンジを続け、ついには2017年5月、サービスインを果たす。

サービスインから始まる真のチャレンジ。

「インフラとしてのFTTH化は、非常に大きなエポックですが、FTTH自体は後発で同質化の要素に過ぎず、大切なのは、サービスイン以降です。これを契機に事業のあらゆる側面を進化させ、会社全体を次のステージへと向かわせることこそが重要であると考えています。改めてイッツコムの差別化ポイントは何かを考え、そこを徹底的に強化するチャレンジをしなければ、と思っています」(田口)。お客さまに対して、高速通信、4K放送、IP放送、スマートホームなど、先進的なサービスを提供できるプラットフォームが整った。「これからが企画勝負の段階です。魅力的なコンテンツ、ユニークなサービス、感動の仕掛け、面白い体験デザインなど、他に先駆けて、次々とユーザーを魅了する企画の実現をしていきたい。FTTHはこれからのイッツコムのサービスの根幹です。これを最大限に活かすのは、私たちの役割。とことん進化させるためのトライをしていくつもりです」(佐々木)。
また、FTTH化は、技術を担うエンジニアたちにとっても、今後のミッションを大きく変える転機となる。「テレビ、インターネット、電話以外のサービスが一気に加速します。これからはIoTが鍵を握り、さらに新しい先端技術の導入が必要になってきます。イッツコムは単なる通信会社ではなく、生活インフラとしてなくてはならない存在へ。その実現を根底で支えるのが私たちのミッションです。情報通信技術だけではカバーできない先端領域へのチャレンジも必要になってくるはず。設備を造ったら終わりではなく、今後はサービス開発の局面にも加わり、一緒になってビジネスを創造していく楽しみも増えてくると、私は期待しています」(小柳)。
サービスインを果たし、全エリアへのFTTH化が順次進み、プロジェクトの第一フェーズは完了。しかしながらイッツコム変革への道のりはまだ始まったばかりで、序章に過ぎない。「これからやるべきことは山ほどあります。でも、私たちの意識は、その山ほどある課題を前に“挑戦を楽しもう!”そんなポジティブな未来へと向かっています。FTTH化がもたらしたもの…それは全社を包み込む“期待感”と未来への“責任感”に他なりません。誰もが、イッツコムの変革の流れを想像する日々を楽しんでいます。この想像力が続く限り、セカンド・ステージ・プロジェクトで描いた我々の目指すべき「北極星」は、さらに輝きを増していくだろう!そう、私は確信しています」(田口)。